鋳造&修復法 of 立体造形、ブロンズ彫刻、手型、足型は山岸鋳金工房ホームページ

ブロンズの鋳造法には、大きさや形、要求される精度などに応じた様々な方法があります。当工房では、真土・CO2ガスプロセス・ロストワックス(石膏およびセラミック鋳型)の鋳造法の中から、作品の表現に最適の方法を選択し、鋳造制作いたします。
金銅仏などの文化財の精密鋳造から、高さ4メートル以上の大型モニュメントまで、全てに幅広く対応できます。

真土型鋳造法

日本の伝統的な鋳造法。石膏原型から、真土と呼ばれる土で鋳型を取り、それを焼成し 金属を鋳込みます。
非常に複雑な手間と、経験の必要な鋳造法であるため、その技術は 次第に失われつつあります。しかし、その肌合いには、独特の魅力があります。
当工房 では、その技術の保存・研究にも力を入れています。
LinkIcon田原市美術館の図録に挿入しました“真土型”についての簡単な解説と図録です

CO2ガスプロセス・無機/有機自硬性鋳型鋳造法

石膏や木・FRPなどいかなる素材の原型からでも型取り出来ます。CO2ガスや硬化剤 で固まる粘結材を用いて、砂で鋳型を作ります。焼成する必要が無く、大型鋳型でも短 期間で造型でき、ひずみのない鋳型を作れます。
当工房では、2基の可傾式溶解炉を用 いて、大型の彫刻作品やモニュメントでも一体鋳造が可能

ロストワックス鋳造法

原型をいったん蝋に置き換えた後、耐火材に埋没し、焼成、脱蝋したものを鋳型とする のが、ロストワックス鋳造法です。
古くから彫刻の鋳造に最も多く用いられていた方法 です。複雑な形状の作品の鋳造に用い、作家がワックスモデルに手を入れる事により、 作品に豊かな変化を持たせる事ができます。
次の2種類の鋳型を用いています。
<石膏鋳型>
耐火材に石膏を使う鋳造法は、イタリアで完成され、近年日本でも広く普及していま す。その鋳肌には、金属の持つ自然なぬくもりと新鮮な魅力があります。
<セラミック鋳型>
耐火材として、石膏の代わりにセラミックを用います。工業鋳物の手法を応用。焼成 は高温で短時間。セラミックによる鋳肌は高い精度を持ち、鋭いマチエールを得られ ます

運搬・展示・移設などの作業中に、美術作品が破損する事故は、万全を期していても起 こりうる事です。私たちは修復する作品の鋳造技法や着色技法を十分に調査した上で、 最良の処 方を選択し、お客様に提案して修復を行います。
また、ブロンズ彫刻は恒久 的なものだと思われがちですが、実はその肌合いは生き物のように微妙で、置かれた環 境や時間の中で少しずつ変化していきます。
近年屋外のブロンズ彫刻に関して、酸性雨 による影響が社会的関心を引いています。私たちは、酸性雨・紫外線・鳥の糞等によっ て変色した作品の修復を施すとともに、観察・調査を行った上で、コーティングを含め て様々な保存のための処置を行っております。
鋳造製作を行っているからこそできる技術です。

屋外彫刻などによく見られる緑青についての対処と保存処置

まず、緑青(ろくしょう・りょくしょう)とは、銅又は銅合金の表面に生じる緑色のさびのことで、大別してブロッカンタイト、アンテライト、アタカマイト、マラカイトの4種類あります。

炭酸塩であるマラカイトは最も安定しており、胴を浸食することはほとんどありませんが、現在世界的に硫酸大気であるため、現在は自然には発生しない。

アンテライト・ブロッカンタイトは塩基性硫酸銅で、アンテライトは酸性雨に関係すると言われるように酸性度の強い緑青です。硫酸酸性が強い塩基性硫酸銅がアンテライトといえます。
ブロッカンタイトはほとんどの緑青の主成分でこれによるブロンズの浸食量はきわめて少ないといわれています。

塩分が高い場合は塩基性塩化銅であるアタカマイトが発生すると言われています。

厳密にはサンプルピースを採取して成分検査を行う必要がありますが、短期にアシドラインの部分が凹んでしまっているものはほとんどがアンテライトが形成されてしまっているものと思われます。
文献には0.004mm/年程度浸食してしまうこと書いてあるものもあります。

当社の行う保存修復処置は、このアンテライトを極力洗い流すか剥離して、コーティング剤を含浸させるという作業が中心になります。
“ブロンズが自然に変化していった風合いを保ったまま、綺麗にする”という方向性です。